曇り
旅館で教わった大鹿村の名所を回って九州へ帰った。
まずは塩見岳の名の由来ともなった塩について、この地の塩水の元に岩塩があるのではと明治時代に岩塩調査を行ったが、結局岩塩の存在は確認できず、どうして塩水が出るのか謎のまま、今でも塩水の濃度は低下していないという。その岩塩調査の試掘鉱の跡の一つが旅館の川向こうにあった。
次に大西公園からは赤石岳がよく見えるということで行ってみた。大西公園は昭和36年の集中豪雨で山が大規模に崩壊し多くの犠牲者がでた惨事を追悼する記念公園だった。ここから小渋川沿いの先にある赤石岳が見えた。渡渉を繰り返し大聖寺平まで駆け上がって赤石岳を目指す難度の高い小渋川ルートだ。
土産のりんごを求めて旅館で紹介してもらった松川町のりんご園に向かった。このりんご産地から南アルプスの名峰が見えたのも印象に残った。中央道を通るたびに見てみたいと思っていた南アルプスのパノラマ、念願がかなった。あいにく仙丈ケ岳付近は雲が掛かっていたが、間ノ岳から塩見岳、荒川三山、赤石岳まで眼にするとそれぞれの山を登ったことが思い浮かぶし、それぞれの点を繋げてみたいとも憧れる。暫くの間南アルプスのそれぞれの山を眺めた後九州への帰途に着いた。