6/27(5日目) テント撤収、広河原からバスで北沢峠、戸台へ
4時過ぎに目覚めたがテントを撤収するだけなので6時からの朝食となった。予定通り8時半にパッキングを終え出発の準備ができた。このとき山荘の横で一人の男性がハーネスを付けているので聞いてみたら釣り人でこれから野呂川の渓谷に入るのとのことだった。この釣り人、何故か白根御池小屋に泊まって今朝下りてきたそうで、登山者とすれ違うたびに「キタダケソウはどうですか」と聞かれ何のことやら判らず、当方に山荘のことかと聞いてきた。すれ違った登山者も当惑しただろうし内心陸に上がった河童と思うと可笑しかった。
9時発北沢峠行のバスには当方以外に7人の乗客がいたが、うち6人が釣り人で野呂川出合いで下車した。バスの開通で釣り人にもシーズンが始まった。
北沢峠でのバスの待ち合わせ時間に、こもれび山荘周辺を歩いてクリンソウやツバメオモト、ヤマトユキザサ、テンナンショウなど昨日までの山では見なかった花を見ることができた。(北沢峠で見た花の写真はこちら)
仙流荘へのバスの乗客は自分一人で運転手さんと気軽に話をすることができた。北沢峠のクリンソウは人が植えたものと聞いたときは自生種ではないことにがっかりもしたが、植えられて生き続けている以上これから先も綺麗に咲いて欲しいと思う。
途中で林道を下っている二人連れ、植物を観察しながら下っているという。その先で三脚にフィールドスコープで構えている人はバードウォッチング、いろんな自然観察があるが、そのためにも自然保護は必要でこの林道のマイカー規制も必要なことだと思った。
定刻に仙流荘に着いて貸切状態のお風呂に浸かり山行を振り返った。梅雨時でありながら午前中は晴れてくれた天気のおかげで満開のキタダケソウや地蔵岳のオベリスクはもちろん登山中に見た北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳の素晴らしい山並みとバスの運転手さんや小屋番さんの対応に、南アルプス再発見の山行だった。
昼食は食堂の鹿カツ定食を、最初は躊躇したが、南アルプスの高山植物の鹿による食害を考える機会だと思いいただいた。この肉が狩猟肉か飼育肉かは判らないが、こげ茶色で柔らかく脂分が少ないさっぱりっとした味の肉で食用になると思った。