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2015/07/24 早月小屋から剱岳、剣御前小舎

7月24日 雨のち曇り

朝から雨、小屋のテレビの地デジデータ放送の天気予報は9時から曇りの予報は変わらず富山県内には数か所小さな雨域を表示しているだけだったが、携帯の雨雲レーダーは富山県南東部の広い範囲で弱い雨雲を表示しており、これが抜けるには時間がかかりそうで午前中には雨は止まないだろうと思った。グループのリーダーは風がないから出発するというが、他のメンバーはもう一日様子を見てはといっているようで、前日までのそれぞれの意見が全く逆転していた。リーダーの指摘通り小屋前の吹き流しが前日とは違って下に垂れている。計画では剱岳を越した先は剣御前小舎泊を予定していたが、剣山荘宿泊もありと時間を遅らせて出発しようとゆっくりと準備を始めた。
6時過ぎに森林組合の方たちが雨の中、草刈に出発していった。それを追うようにグループも各自ハーネスを装着して出発していった。もう少し遅い出発を考えていたが、皆さん出立されたので自分もレインウエアの上から簡易ハーネスとその先に60㎝スリングにカラビナ2個を付けて6時半に出発した。結局朝食を弁当にしてもらった自分が最後の出発となった。

出発してほどなく装備手直し中の4人に追いつき先行させてもらった。雨は降り続き、ガスも出て時折草刈機の音は聞こえるがどの辺で作業しているのか全く分からない。草刈り作業の先頭の方は2400mを越えた地点で作業中、労って横を通過させてもらった。
2600mの標識を過ぎて雪渓を登る場所があったが、ここは転んでも滑落する危険はないのでアイゼンは付けずにそのまま進んだ。ただその先には雪渓の脇の登山道を通過する場所が2,3か所あった。雪解け前で登山道が雪に埋もれている状態であれば、アイゼンにピッケル装備でも怖い場所だと思った。

2800mの標識の地点で道迷いをしてしまった。ここは標識の地点で右に大きく曲がって尾根を登っていくんだけれど、濃いガスのために山の位置がわからず登ってまっすぐ先の小さな尾根に入ろうとした。少し入っておかしいと標識地点まで戻り再度ルートを変えてみようとしたが判らない。また標識地点に戻るときに正面に正規の登山道があることに気付いた。最初に戻ってきたときに周囲を十分に確認すべきだった。

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登山道脇で咲いていたダイモンジソウ

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登山道に迫る雪渓、雪解け前には通行不能?

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核心部、獅子頭基部の鎖場

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ガスで展望のない剱岳山頂

9時半に核心部となる獅子頭下部の鎖場に入る。ガスで先方は見えず高度感も感じぬまま、ペンキマークと鎖を頼りに登っていく。これから先滑ってしまうと命はまずないはずで、簡易ハーネスに付けたカラビナを鎖につけながら慎重に登っていった。ただ持参のカラビナが小さく太い鎖から外す時に慣れるまで手間取ってしまった。鎖場は思った以上に長く続き、別山尾根との分岐標識まで来た時はほっとした。

10時過ぎにガスで展望のない山頂に到着、誰もいない剱岳を独り占め、なんだけど寂しすぎる。弱い雨は降り続くが、風は殆んどなく祠の前で昼食休憩をした。早月小屋でもらった助六弁当がとてもおいしく食べられた。家に無事登頂のメール連絡を入れるなどして暫く山頂にいたがガスがはれる気配は全く無い。
11時に別山尾根に向けて下山しようとしたところでひとりの登山者が現れた。馬場島を早朝に立って早月尾根を登ってきた青年だ。五色ヶ原まで行きたいという青年は山頂で休憩もそこそこにガスの中に消えていった。凄すぎる。

カニのヨコバイの鎖場でもカラビナを使って慎重に下るが、鎖のサイズが早月尾根よりワンランク小さくカラビナの操作がしやすかった。雨はやんでいたが、ガスは一向に晴れる兆しがなく、別山尾根特有のプレートでどこを歩いているのかがわかる状態だった。前剱で一度ガスが取れて富山湾まで見えたのだが、カメラを取り出す間も無くまたガスで覆われた。

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ガスでどこを歩いているのか不明

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案内プレートが頼り

前剱の大岩を下ったところで空荷の登山者に遭遇した。雨のため山小屋で足止めとなっていたが雨が上がったので小屋番さんに相談して前剱までと登ってきたとのことだった。山に登れずうずうずしていたのかすごい勢いで登っていく。この勢いなら山頂まで行ってしまうだろうと思った。
一服剱への登りで凄く疲れを感じた。一服剱でしばらく休憩してレインウエアを脱ぐつもりでいたが、剣山荘まで下るだけなのでレインウエアを着たまま下った。天気は薄日が差すほど回復し下りでも暑く感じた。

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一服剱への登り、時折ガスが晴れる。

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武蔵谷も見通しがよくなる

13時半を過ぎて剣山荘に到着、まだ時間があるので剣御前小舎に電話をして今日の宿泊を申し込んでコースを確認すると、剣御前の下のトラバースコースは雪切りしてあるのが見えるが今日までの雨で崩れも酷そうなので剱沢を登って来るように勧められた。レインウエアをザックに仕舞って14時前に剣山荘を出発し剱沢小屋に向かって下っていった。途中大きな雪渓のトラバースがあるが、皆アイゼンなしで行き来している。キャンプ場を通って別山乗越を目指して登るが中々足が前に進まない。こんな疲れた状態は体調が悪いためなのか、この縦走を続けられるのか、赤石岳縦走で食べ物が飲み込めず椹島へエスケープしたことを思い出した。

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剱沢から剱岳を振り返る。このころはバテバテ

約2時間かかって剣御前小舎に着いた。とにかく疲れたが、明日朝天気が良ければ朝食前に別山を予定しており朝食は朝5時半からにしてもらった。夕食後の19時過ぎには床に入って直ぐに眠り込んだ。

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