北アルプスの山々をメインにパノラマ写真で紹介するとともにパノラマ写真の撮影・作成方法なども紹介しています。

2015/07/27 剣山荘から剱岳を経て馬場島

7月27日 晴れのち曇り

朝3時半に起きて出発の準備を始めた。剣山荘では早立ちで朝食を弁当に代えた人のために食堂が開放され、お茶と即席スープが準備されているのが有難かった。
4時半に剣山荘を出発、鹿島槍ケ岳付近が明るくなる空には雲は全く無かった。一服剱にさしかかったときに五竜岳から日が昇ってきた。

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剣山荘前にて出発時の五竜、鹿島槍ヶ岳

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一服剱にて日の出

前剱に向けて自分もいいペースなんだけれど若い人やサブザックで背中が軽く勢いのある人に道を譲りながら登った。
前剱の大岩を過ぎて振り返ると剱沢に日が当たり大日岳の山腹に影剱が見えた。前日に日の出をみた場所との逆の位置関係がよくわかる。

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前剱の大岩を目指して登る

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4番、前剱への鎖場

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前剱への登山道から振り返る剱沢。大日岳の山腹に影剱(7/27 5:30)

5時半過ぎに前剱に到着、これから先が別山尾根の核心部となる。前剱から少し下った鉄の橋のところでストックが二組放置してあった。下山時に回収するつもりなのかもしれないが、ここは復路では通らない場所、ザックに括り付けることができなかったのだろうか。
前剱の門を過ぎてケルンのある場所で小休止した。ここからは目指す剱岳から下山ルートの早月尾根や、折り返し点の大日岳から剱沢と山行の全行程が見渡せた。

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前剱から剱岳。登山路は一旦左へ下る。

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下った先に鉄の橋

剱岳から馬場島までを一望(7/27 6:15)

次は平蔵の頭の先にある岩場を鉄杭を足場によじ登り、鎖を頼りに下る。岩棚をトラバースして平蔵のコルに下る。ここまでも実にスリルに富んだコースだが、この先に待ち構えているのが最難関のカニのタテバイ。大日小屋で話をしたご婦人はここで2時間待ちを経験したそうだが、今日は待ち時間なしで一気に登った。ただ、周囲を見る余裕はなかった。後で写真を見て判ったのだが、タテバイを登る写真の空に雲が流れていることには全く気付いていなかった。鎖場を終え頂上に向けて岩場を登っているとガスが一気にかかり始めてしまった。

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平蔵の頭の先の岩場へ。中央の鎖は下り用

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7番、鉄杭を足場によじ登る

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平蔵のコルへ

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岩棚をトラバースする登山者

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カニのタテバイへ

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カニのタテバイの下で
空の変化には気付いていない。

7時過ぎに山頂に着いたときにはガスで展望は全く無くなってしまっていた。多くの登山者も落胆しているようだったが、時折ガスが晴れて景色が広がると歓声があがりカメラのシャッターが一斉にきられた。
皆さん、祠の前で写真を撮るなどしてガスが晴れるのを待っていたが、8時近くになって下山の準備を始めだした。自分も8時から下山するつもり支度をして山頂からわずかに下ったところで最後のパノラマ写真撮影をしていたところ、ガスが晴れていき下の方から視界が開け始めてきた。8時には室堂側は完全に視界が開け早月尾根から北方稜線側にガスが残るだけとなった。そこでこの日始めてザックからミラーレス機を取り出して山頂からの360°パノラマ撮影をした。そして祠の北側に回って毛勝三山から後立山連峰の写真も撮ることができた。最後に幸運も訪れた。

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カニのタテバイを越えた岩場でガス

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山頂はガスで展望なし

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ガスが晴れた瞬間、針ノ木峠の向こうに富士山

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立山三山

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8時前、下山準備に取り掛かったころ

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ガスが取れ始めた!

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ガスが取れだし、姿を現し始めた別山尾根(7/27 7:58)

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ガスが取れた後に広がる標高差3000mの絶景。登山者が続々と登ってくる。(7/27 8:11)

8時半前に下山を始めた。登るときはガスで高度感は全く感じなかったが、視界が開けたこの下りの高度感は半端なく、これから馬場島まで2200mの下りに気を引き締めた。
カニのハサミの手前で夫婦登山者が追いついてきたので道を先に譲って写真を撮りながら下り、約20分で獅子頭の基部まで下りてきた。このコース、雨とガスの中を登った時は簡易ハーネスにカラビナを使用した。下りでは使わなかったが、雨とガスの中を下らなければならないときは使っていたはずだ。

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この先から早月尾根の急下降が始まる。

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下りの最初の鎖場、早月小屋が見える。

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カニのハサミと獅子頭の岩峰。池ノ谷が深く落ち込んでいる。両峰とも池ノ谷側を巻く。(7/27 8:39)

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カニのハサミの上部で見えた別山尾根

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カニのハサミを過ぎ獅子頭へ向かう登山者。(7/27 8:43)

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対向者待ちの登山者

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獅子頭の基部を通過する登山者

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獅子頭の基部を終えて振り返った鎖場

獅子頭基部の下の方で先行登山者が止まっていた。ライチョウの親子がいたのだ。この山行でライチョウは3回目だが、親子のライチョウは6年ぶりだ。
9時過ぎに2800m標識までくだり、登りでの道間違いを検証してみた。写真の青字が上りのルート、赤字が間違えて中央の小さな尾根が正規ルートと見誤った。次の写真がこの写真を撮った位置の背後側の正規ルート、尾根上の登山道の先に目指す剱岳が大きく構えている。ガスがなければ間違いようはないが、ガスの時はより慎重な行動が必要ということだ。

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ライチョウの親子を見たのは6年ぶり

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登りで道迷いした2800m標識地点
 青:正規ルート  赤:間違えたルート

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正規ルートの尾根筋から剱岳。ガスがなければ間違いようはない。

この先の下りでも馬場島から剱岳を目指す人が続々と登ってくる。全員に聞いてはいないが、聞いた人は皆日帰りと答えてくれた。タフな人が多いが自分には出来ないと思う。
10時に2600m標識まで下りパノラマ写真を撮ったが、更に下った見晴らしいの良い場所でも懲りずに写真を撮った。次は早月小屋の2224mピークのパノラマ写真を狙って下った。

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早月尾根2600m標識から見る剱岳、左に小窓尾根、右遠方に奥大日岳。(7/27 9:57)

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早月尾根2400m付近から見る剱岳。右遠方の奥大日岳に雲が掛かり始める。(7/27 10:25)

11時過ぎに早月小屋についたときは剱岳初め多くの山に雲が掛かり写真は諦めた。小屋の前の椅子に座り剣山荘のお弁当を食べたあとのんびりしながら下山後の行動を考えた。当初の計画は早月小屋から電話して可能であれば馬場島荘での宿泊だったが、一日停滞したこともあり車で帰ることに決めた。小屋の親父さんにお世話になったお礼を言って12時に小屋を出発した。

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12時、ガスがかかる早月小屋

空は既に雲で覆われて日ざしによる暑さは無いのだが、下るほどに気温上昇による暑さを感じた。登ってきたときと同じように雪渓で雪を掻いてタオルでくるみそれをおでこや首筋に巻いて暑さを凌ぎ、一気に下った。しかしその反動からか松尾平からの下りで膝にきた。

15時過ぎに馬場島の駐車場に無事に帰りついたが、帰り着いた安心感からかどっと疲れが出たようで、こんな状態では長時間の運転は無理であり宿泊を考えた。この時間では馬場島荘の宿泊は無理だろし、ここでの車中泊は行動食のビスケットやソイジョイしかない。市街地まで下って車中泊の場所を探すか。。。ここで妙案を思いついた。立山駅駐車場での車中泊。この早月尾根登山の際に検討していた立山弥陀ヶ原登山で立山駅周辺は調べており、登山基地の駐車場では車中泊では当たり前だし、高地で気温も平地より低く寝苦しさも感じにくいはずだ。そう決めると行動開始!車に荷物を詰め込んで湯神子温泉に向けて出発、温泉で汗を流した後スーパーで夕食やパンなどを買い込んで立山駅をカーナビにセット。
19時前に立山駅駐車場に到着、平日でもあり車は2割ほどしか埋まっていなかった。

7/26 大日小屋から剣山荘 ←  → 7/28 称名滝から九州へ

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