2009年北アルプス山行記録
2009年北アルプス山行目標
 ・6月下旬から10月末まで長野県内に在住して北アルプス中心に登る。
 ・天気の良い日に、お盆までは後立山連峰、お盆すぎから槍穂高、剱岳など北アの主だった山を目指す。
 ・順調に登山ができれば、南アルプスや八ヶ岳などの他の山もトライ。
登山結果は下表の通り、お盆までは梅雨明け後の天候不順に思うように登山できなかった。しかし、アルプスの雄大な景色やライチョウ、ニホンカモシカとの出会いなど貴重な経験もすることができ、トータルでは満足度95%の達成と思っている。願わくは奥穂高岳−西穂高岳の縦走だけは機会を作って挑戦してみたい。ただこうした山歩きができるのも山小屋や登山道整備、自然保護に関わっている多くの人たちのお陰、感謝です。
6月 21 高山市 22 23 乗鞍岳 24 西穂独標 25 西穂高岳 26 高山観光 27 大町市に
28 29 爺ヶ岳 30 1 2 3 焼岳 4
7月 5 蝶ヶ岳 6 7 8 9 10 11 常念岳
12 13 14 15 蓮華岳 16 針ノ木岳 17 18
19 20 白馬岳 21 猿倉下山 22 日食 23 24 25 唐松岳
26 27 28 鷹狩山 29 30 31 五竜岳 1 下山
8月 2 3 鹿島槍ケ岳 4 大谷原下山 5 大町退去 6 栃尾 7 北九州へ 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22 安曇野へ
23 24 乗鞍岳 25 笠ヶ岳 26 双六岳 27 西鎌尾根 28 29
30 31 1 蝶ヶ岳 2 常念岳 3 4 5 大天井岳
9月 6 槍ヶ岳 7 大キレット 8 奥穂高岳 9 10 高ボッチ 11 高ボッチ 12
13 室堂 14 剱岳 15 立山三山 16 黒部ダム 17 18 19
20 常念乗越 21 鷹狩山 22 23 24 白根御池 25 北岳 26 農鳥岳
27 28 29 30 1 常念岳 2 3 双六小屋
10月 4 水晶岳 5 新穂高下山 6 7 8 9 太郎平小屋 10 黒部五郎
11 薬師岳 12 13 14 15 16 17 高瀬ダム
18 八方池 19 爺ヶ岳 20 21 蝶ヶ岳 22 23 小蓮華山 24
25 26 27 光城山 28 常念岳 29 30 安曇野退去
06/21
(日)
飛騨高山市に移動 高山市内ビジネスホテル6連泊(後で思うに栃尾付近の民宿の方が良かったかなと。)
北九州より走行時間約10時間の長旅でした。
06/22
(月)
松本市、三股登山口下見 大町市マンスリーマンション契約(6/27〜8/5)のため松本市へ。途中新穂高口に寄るが、雨で周囲の山は見えなかった。契約後時間があったので安曇野の三股登山口の下見に行った。途中道が少し狭い所もあるが完全舗装で問題なし。
06/23
(火)
乗鞍岳 前夜の大雨で朴の木平バス出発一時間半遅れ、11時過ぎに畳平到着(写真左)。ガスの中、肩の小屋まで行くが、濃いガスと雪渓で小屋から先の登山道が判らない。登山口からの標高差は300mしかないと3,000mの山を甘く見てしまい、アイゼンやストックの準備もしてなかった身としてはここは撤退。乗鞍コロナ観測所横で昼食後下山する頃になってガスは晴れてきて乗鞍岳まで見渡せたが、頂上稜線付近には大きな雪渓が残っていた(写真右)。『虎穴に入らずんば虎子を得ず』と意気込んで九州を出発してきたが、実際の登山では今後も『君子危うきに近寄らず』と安全登山をモットーに!(写真下は富士見岳からの畳平と鶴ヶ池)
   
 
06/24
(水)
西穂山荘西穂独標 新穂高ロープウェイを利用して13時に西穂山荘到着。初の山小屋泊まり。夕食までの時間に独標まで往復した。独標では明日登る予定の西穂高岳はガスで見えなかったが、ライチョウに出会えて感動!このライチョウ君と暫し上高地を眺めた。山荘の宿泊は雑誌の取材で奥穂高岳を目指す6人パーティと焼岳を目指すというベテラン登山家と小生でシーズン前のため静かな雰囲気。10畳部屋にはその二人だけで、そのベテランに山の話や山小屋宿泊のマナーなど教えていただいた。10畳部屋の壁に畳に合わせて1から10の札がつけてあるその下に1から20の札も付いていた。場所指定の札だろうが、混雑時は10畳に20人?、そのような宿泊は避けたいところ。写真右:丸山付近からの霞沢岳
   
  
06/25
(木)
西穂独標西穂高岳 6時30分山荘出発。途中の登山道で昨日のライチョウ君か?砂浴びのため暫し通行止めとなった。独標を過ぎたあたりからは雲も取れ始め、西穂高岳山頂では先行6人パーティの姿は既になく初の北アルプスの山頂にただ一人、ヤッター!。間ノ岳のほうからは落石の大きな音が2回、間ノ岳山頂付近には登山者の姿が見えどうやら大丈夫らしいが、この先はかなりヤバそう。
   
 
 
山頂で絶景を独り占めして楽しんでいたところ、上高地を6時に出発したという女性が登ってきた。この女性とは昨日も独標で出会ったのだが、上高地から西穂山荘までを約1時間半で登ったという、凄すぎ!山頂から彼女より5分遅れで下り始めたが、彼女に追いつくどころかドンドン引き離されてしまったのも至極当然。(
06/26
(金)
高山市内観光 ホテルの自転車(無料)を借りて高山市内観光
   
06/27
(土)
移動(高山市→大町市) お盆の前まで過す大町市内のマンスリーマンションに入る。()
06/28
(日)
登山口下見 部屋の整理後、猿倉、大谷原、扇沢登山口の下見に出かけた。猿倉駐車場からの白馬稜線や道沿いから見る不帰の剣に胸ワクワク!
   
06/29
(月)
扇沢−爺ヶ岳 扇沢(6時30分出発)より柏原登山道で爺ヶ岳に日帰り登山。鹿島槍ケ岳を間近に見たが予定通りこの日はここまで。柏原登山道の途中の沢で大きな雪渓の通過(写真右)があったし、また剱立山連峰にも残雪が多く見られ、3,000m級の山は残雪が消え山にも慣れてくる盆明け以降が無難かなと、また針ノ木岳から種池までの稜線はアップダウンも少ないようで、針ノ木雪渓を登る際は扇沢を拠点とした周回縦走をしようなどと今後の登山に思いをめぐらせた。(写真下:爺ヶ岳南峰にて蓮華岳、針ノ木岳と縦走路)
   
 
06/30
(火)
松本市 松本市で映画『点の記』鑑賞。剱岳登頂意欲が一層強くなった。()
07/02
(木)
大町市 ETC購入、セットアップ(北九州では予約さえできなかったのに、国道沿いのカー用品店の看板を見て飛込みで入ってget、以降高速道路の休日1,000円割引を多いに活用)
07/03
(金)
上高地−焼岳−中ノ湯 槍穂登山拠点の上高地の下見も兼ねて焼岳登山(上高地→焼岳→中ノ湯)。上高地に入るのは約20年ぶりの二度目だったが、初めて来た時には山には全く興味がなく、奥穂高岳さえも知らなかった。ただその時のきれいな梓川だけは記憶していた。7時半に田代橋から登山道に入り、11時半に焼岳山頂到着。山頂は残念ながらガスで見晴らしは皆無(写真右)
   
07/05
(日)
三股−蝶ヶ岳 三股登山口8時出発。途中、常念岳と雪の残る常念沢がはっきりと見えた。(写真左)。12時前に山頂に到着、槍穂連峰を間近に見た。3,000m以上は雲が掛かっておりまた翌日の天気も期待できそうにないため結局日帰り登山になったが、初めて見た槍穂高連峰の雄大さに感動!
   
 
07/08
(水)
長野市内 善光寺参り
07/09
(木)
中房温泉 表銀座コース起点の中房温泉登山口を下見に出かけた。(梅雨明け前の雨で思うように登山できない)
07/11
(土)
三股−常念岳 三股登山口6時30分出発、前常念岳から常念岳を経て常念乗越で初めてコマクサを見た。その可憐さ、色合いは、高山植物の女王に相応しい。前常念岳付近では稜線の先に穂高連峰が見えていたのだが(写真上)、今回も山頂に着いたときには槍穂の頂上は雲の中で、翌日の天気も期待できそうも無くまたも日帰り登山に。常念小屋から前常念への登山道は通行できないようで帰りに常念岳を登り返すのにホトホト疲れた。三股登山口を利用したのはガイド本の一ノ沢駐車場の写真で登山口まで舗装されていないと思い込んでしまったためで、一ノ沢登山口までの林道が道幅も広い舗装道路であることは後で知った。(写真中左:前常念より常念小屋への標識はあるが、岩には赤ペンキの×印とロープあり。)()
 
   
 
07/15
(水)
扇沢−針ノ木雪渓 待ちに待った関東甲信越地方の梅雨明け宣言で針ノ木大雪渓に挑戦。扇沢を7時30分に出発。雪渓歩きの装備は、6本爪アイゼンとストック。雪渓上は冷たい風で心地良く登り始めたが、予想を超える急斜面に後半は汗ダクダクだった。この日はコマクサの咲く蓮華岳を往復し、針ノ木小屋に宿泊。(写真下:蓮華岳山頂付近から種池への縦走路)
   
 
07/16
(木)
針ノ木岳スバリ岳岩小屋沢岳−種池縦走 山小屋泊まりの醍醐味は日の出や日の入りの風景を堪能できること。ここでは日の出時に遠く朝焼けに浮かぶ富士山のシルエットがとても印象的だった。6時過ぎに針ノ木小屋を出発。針ノ木岳から種池に向けての縦走は天気にも恵まれ黒部湖や剱立山連峰の眺めが最高に良かったが、縦走路は爺ヶ岳から眺めたほどに楽ではなかった。動画は小スバリ岳からの針ノ木雪渓全景、写真下は岩小屋沢岳山頂からの針ノ木岳方面と剱岳立山連峰
   
 
 
07/20
(月)
猿倉−白馬岳 猿倉登山口を6時半に出発。先週針ノ木雪渓を経験しており、雪渓上を快調に登ることができた。が、雪渓が終わりアイゼンをはずす段になってカメラケースを雪渓取付地点に忘れてきたことに気づいた。ケースの中には予備のSDカードとバッテリー、明日の行程を考えても必要であり引き返すことにした。雪渓下りは初めてだったが、恐怖心よりも急ぐ心が勝って猛スピードで急下降、無事カメラケースを発見できた。その喜びで勢い大雪渓を再度登ったのだが、流石に疲れ果ててしまいもうヘトヘト。白馬山荘に入るつもりが途中の村営頂上宿舎に這うようにして入った。暫し休憩後夕食までの時間を利用して山頂往復、信州側はガスが湧き上がっていたが明日予定の白馬鑓ヶ岳まで見渡せた。写真下右は丸山での幻日(太陽が2個?)
   
   
07/21
(火)
白馬岳下山 早朝よりかなり大粒の雨模様。同宿の皆さんはそれぞれの目的地に向かって出発していった。予定の鑓ヶ岳に向けて縦走しても眺望は無いだろうし昨日の疲れもあり、大出原のお花畑はまたいつか別の機会に必ず来ようと猿倉へ下った。今回の山行で大雪渓を二度も登下降できたことで良しとしようっと!でも、山小屋で頼んだお弁当は大町市のマンスリーマンションで食べたのだが、なんとなく虚しかった。
07/22
(水)
大町市山岳博物館 南の海上では皆既日食、こちらでも日食を見てみようと外に出て大町市内散策。雲の間からの欠けた太陽を期待したが、見れずしまいで結局山岳博物館まで歩いた。博物館は展示品も然る物ながら大町市街越しの北アルプスの山並みが素晴らしいらしい。写真左:大町市街(蓮華岳山頂が僅かに見えている。博物館の上の鷹狩山には展望台もあり。)写真右:山中で保護され飼育されているニホンカモシカ
   
07/25
(土)
八方尾根−唐松岳 梅雨明け後も夏らしい空はなく、曇りや雨の予報が続くなかで雨はなさそうなので八方尾根より唐松岳に登ったが、天気は予報を裏切らなかった。山頂からは北側はガス、南側は五竜岳への縦走路がかろうじて見えるだけ。早々に山頂を後にしたが、八方池山荘まで下ったときに容赦のない雨が降り出し、冷たい雨に打たれながらのリフト下山となった。写真上:第3ケルン付近での白馬三山(右)と不帰の剣。写真下:唐松岳山頂より五竜岳への縦走路
 
 
07/28
(火)
鷹狩山 鷹狩山に車で登った。頂上展望台からは大町市街の向こうに北アルプスの山並みが見えるはずだが、下の写真のとおり、かろうじて北葛岳と蓮華岳の頂上が見えるだけ。早く夏本来の空になって欲しい。
 
07/31
(金)
遠見尾根−五竜岳 天気予報では比較的良さそうなこの日、遠見尾根より五竜岳へ。しかし遠見尾根で高度を上げるにつれガスが濃くなっていき眺望は全く得られず、期待した五竜岳山頂からの鹿島槍ケ岳も見られずじまい。この日は五竜山荘泊まり。写真左:白馬五竜高山植物園に咲く白のコマクサ 写真右:遠見尾根で砂浴びをするライチョウ親子
   
 
08/01
(土)
五竜岳下山 夜明け前は小雨が降っていたが、日の出のころは雨も上がり五竜岳に架かった大きな虹がきれいであった。朝食後ゆっくりと遠見尾根より下山。白岳を下り始めた時、漸く五竜岳が姿をあらわした。
   
08/03
(月)
大谷原−鹿島槍ケ岳 大谷原を6時に出発し、赤岩尾根より鹿島槍ケ岳を目指す。赤岩尾根は三大急登のひとつ、急なところは木の梯子や鉄の階段があり整備された登山道、途中の高千穂平ではガスの間から鹿島槍山頂が時折見えており、期待をもって黙々と登った。約4時間半をかけて、フウフウの体で赤岩尾根分岐から冷池山荘にたどり着いた。山荘で今日の宿泊を申し込んだところ混んでおり布団1枚に二人状態だと。縦走者しか利用しないキレット小屋はここまで混んでいないだろうと思い、時間的にも余裕があったのでキレット小屋まで足を伸ばしたのだが、山荘を出発してからはガスが時折切れ、直射日光を遮るものがない稜線上、鹿島槍山頂までがとても長くきつく感じられた。八峰キレットを慎重に通過し15時前にキレット小屋に到着、混み具合を聞いて安堵。また夕暮れ時、猫又山の山陰に掛かるはぐれ雲が赤い夕陽に染められ、あたかも赤い竜が飛翔しているような光景も目にすることができ、キレット小屋まで足を伸ばして本当に良かった。
   

08/04
(火)
鹿島槍ケ岳下山 朝方は気持ちのいい快晴。キレット小屋北のピークで日の出を見た後、6時に大谷原に向けてキレット小屋を出発。鹿島槍山頂付近は時折ガスが流れており、この時北峰への登山路で初めてブロッケン現象に出くわした。折りしも昨晩キレット小屋同宿者にブロッケンのデジカメ写真を見せてもらったばかりで、機会があれば是非写真に撮ってみたいと思っていた矢先であった。(写真右は初めてのブロッケン、写真左は北峰登山道より五竜岳方面を振り返る。写真下は北峰山頂からの南峰、遠景は剱岳)
   
 
下山時に赤岩尾根をかなり下ったところでひとりの女性を追い越す。暫くしてひとり、またひとり、西俣のトンネル手前でまたひとり。最後の女性とは林道途中より一緒に下ったのだが、聞けば4人は同じグループで大谷原でのタクシー待ち合わせ時間に遅れないようにひとり先行したとのこと。初めてのルートでは時間配分も判らずひとりが先行することもありだろうが、結局グループ全員がバラけていた。小生グループ登山の経験はないが、グループで山に来てもこれでは。。。
08/06
(木)
わさび平 大町市の宿を引き払い北九州への道すがらに前半戦最後の山行は笠ヶ岳。新穂高無料駐車場を14時に出発。左俣林道に入った直後から雨が降り出し、傘を差してわさび平小屋に着いた。宿泊を申し込むと布団1枚に二人以上の大混雑とのことで、雨の中新穂高に引き返した。車の中はマンションを引き払った荷物でいっぱいだが最悪車中泊も考えた。ダメもとでもと観光案内所へ、そこで栃尾の民宿を紹介してもらうことができ、一安心。ゆっくりと眠って明日の笠ヶ岳登頂に備えた。
08/07
(金)
北九州へ 早朝4時民宿を出発。新穂高無料駐車場に着いたところ完全に満車状態、仕方なく九州へ帰ることにした。昨日の木曜日よりお盆の高速1,000円割引が始まっておりこの影響もありか?(当方も1,000円割引の恩恵で九州へ)
08/22
(土)
安曇野へ またも10時間以上をかけて安曇野市に到着、後半戦はここを拠点に槍穂や剱岳を目指す。前半戦は梅雨明け後も天候不順ですっきりとした夏空がなかったが、後半戦は夏らしい天気を期待しての安曇野入りとなった。
08/24
(月)
乗鞍岳−わさび平 後半戦の初戦は乗鞍岳と笠ヶ岳への再挑戦とした。乗鞍高原観光センター7時発のバスで出発。前回ガスと雪渓で登山を断念しただけに、今回は乗鞍岳への登山路をはっきりと確認できた。天気にも恵まれ、山頂からは槍穂高連峰まで眺めることができ大満足。次の目的地わさび平を目指して10時より下山を開始し、車で新穂高に向かう。途中栃尾の橋の手前でわさび平小屋に電話で混雑状況を確認して宿泊申し込み。お盆を過ぎればピークは越しており、わさび平小屋でもゆっくりとお風呂に浸かることができた。
   
08/25
(火)
わさび平−笠ヶ岳 朝は晴れており6時にわさび平小屋を出発し、笠新道より笠ヶ岳を目指した。ここもかなりの急登、途中振り返ると穂高連峰も見え気分良く登っていった。が、またも徐々に空色が怪しくなり、杓子平に着いたときにはかろうじて青空が残っていた程度、以降すっきりとした夏空になることは無かった。このせいもあるのか、杓子平から稜線に出て笠ヶ岳山荘に着くまでがとても長くきつく感じられた。笠ヶ岳山頂から槍穂連峰の眺めを期待し約2時間山頂にいたが、結局この日はガスが晴れることは無く、ブロッケンは出ても槍穂高連峰がその雄姿を現すことはなかった。
   
08/26
(水)
笠ヶ岳双六岳 夜明けより快晴。山荘前で日の出を迎えたが、大喰岳あたりから上がる日の出を見ていると、何故か感動と感謝の気持ちでいっぱいとなった。笠ヶ岳山荘より黒部五郎小舎に向かうという同宿者は早々に山荘を出発していったが、当方は双六小屋までで時間的余裕があり、再度笠ヶ岳に登る。山頂からは影笠や遠く剣立山連峰など北アルプスの名峰が望めた。槍穂高連峰は何せ逆光でいい写真は取れていなかったが、360度の展望に大満足。(YouYube動画は日の出前の槍穂連峰のシルエット、写真上:槍穂連峰からの日の出 写真中左:笠ヶ岳山頂から乗鞍岳 右:影笠 写真下:笠ヶ岳山頂より左から黒部五郎岳、薬師岳、剱岳、立山、水晶岳、鷲羽岳、野口五郎岳)
 
 
 
   
 
7時に笠ヶ岳山荘を出発、双六小屋を目指すが、抜戸岳を過ぎたあたりからまたも雲が出てきた。途中、山の眺望は恵まれなかったが、咲き競う高山植物で楽しく縦走できた。13時過ぎに双六小屋に到着、夕食までの時間双六岳で過すが、待ったかいもあり下山するころにはガスが晴れ見事な槍穂高連峰を見ることができた。
 
 写真左:イワオトギリ、写真右:タカネマツムシソウ
   
08/27
(木)
双六小屋−千丈沢乗越−新穂高 天気予報通り早朝より雲が低く山荘前から鷲羽岳も全く望めない状況で新穂高に下山するが、予定通り千丈沢乗越経由とした。6時前に双六小屋を出発、樅沢岳からはガスの中全く眺望の無い縦走となった。樅沢岳より約1時間半、ガスが切れ深い谷が見えたので「ここしかカメラに撮るところは無いだろう」と動画撮影した。谷からガスの稜線上にカメラを回したところ、遠く岩の上に何か生き物が、何とニホンカモシカだ!このカモシカ君この岩の上を離れようとせず約10分間の睨めっこ。槍ヶ岳を目指す登山者が追いついてきたのでこの人とこの場を去ったが、この方20年来毎夏北アルプスに通っているというがニホンカモシカは初めてとのこと。山慣れた人は振り向かないかもしれないガスの切れ間の谷沢を写真に撮ろうとしたまさにビギナーズラックであった。この方とは千丈沢乗越(写真右)で別れたが、「ここまで来て槍を目指さないのは勿体ない」と。当方の安曇野在住環境と9月中の表銀座縦走の計画を話すと羨ましがられた。確かに普通のサラリーマン生活ではできない事をやっているのだから。千丈沢乗越から奥丸山分岐、槍平経由での下山で、期待した槍ヶ岳の眺望はなかったが、ニホンカモシカに出会えたことが最高に良かった。奥丸山分岐までの稜線上では大きな糞のようなものを発見。熊の糞を見たことは無いが、熊さんには出会いたくないものだ。
   
  
09/01
(火)
三股−蝶ヶ岳 9月になり週間天気予報でも漸く天気が安定する予報となり、蝶ヶ岳から常念岳を縦走した。盆前のいずれの山行でも槍穂の山頂は雲で覆われており、期待するところ大であった。三股登山口を出発し13時前に蝶ヶ岳山頂に到着、今回も槍穂山頂は雲が掛かっていたが、時折その荒々しい姿を見せてくれた。また夕刻には2羽のホシガラスを間近に見ることができた。この日は蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊。
   
 
09/02
(水)
蝶ヶ岳−常念岳−三股 快晴の予報にモルゲンロートを狙ったが、日の出前より生憎のガスでガッカリ。ところがガスが晴れてきたときに穂高連峰をバックに見事なブロッケンに大感激。この写真は一番のお気に入りで、A4印刷した写真を部屋に飾っている。
  
 
気分良く常念岳に向けて歩き始めたが、この日も槍穂山頂の雲が完全に取れることはなく、常念岳山頂から前常念を経由して三股登山口に下山した。
 
09/05
(土)
中房温泉−燕岳−大天井岳 暫く晴天が続く天気予報にいよいよ表銀座縦走に出発。穂高駅5時発の中房温泉行きバスに乗車、途中のしゃくなげ荘での乗車客で補助席を含めて満席、中房温泉の駐車場も満車状態で皆さんこの天気を待っていたようだ。混雑する登山口をあとに出発、途中の富士見ベンチでは遠くかすかに富士山も見え期待感が高まる(写真上左:中央木の左にかすかな富士山)。稜線に出て燕岳山頂へ。山頂からは槍ヶ岳に向かう表裏銀座の縦走路を眺めることができた(写真下)。燕岳を下り大天井岳に向かうころから信州側から湧き上がる雲が空全体を覆うようになった。14時過ぎに大天荘に到着、夕食までの間を大天井岳山頂で過した。16時半過ぎよりガスが取れ始め槍穂高連峰の全景を見渡すことができた。(写真上右)
   
 
09/06
(日)
大天荘−東鎌尾根−槍ヶ岳 快晴。山荘の朝食前に大天井岳頂上から今日の目的地槍ヶ岳までのルートを眺めて気合が入った。ヨシャ!待ってろよ。6時半大天荘出発、大天井岳の下りから喜作新道、水俣乗越から東鎌尾根へとその姿を大きく変えていく槍ヶ岳を見ながら快調に歩くことができた(今回縦走の槍ヶ岳のスライドショーはこちら 写真左:朝日のあたる槍穂連峰 写真右:水俣乗越にて遠く高瀬湖と針ノ木岳)。
   
13時過ぎに槍ヶ岳山荘に到着、夕食までの時間に槍ヶ岳山頂を往復した。この時間にガスが湧き出したが、雲の間から大天井岳が見えたときは長いアップダウンを歩いてきた自分自身を労ってやりたいようなしみじみとしたものを感じた。山頂にいた時、北鎌尾根から登ってくる登山者が!平均年齢70歳超の元気な女性3人とガイド3人のパーティが無事山頂に着いたときには周囲にいたギャラリーから大きな拍手が上がった(写真左)。夕刻には山頂のガスも消え(写真右)、明日のためにも早々に就寝。

   
09/07
(月)
槍ヶ岳−中岳−大キレット−北穂高岳−涸沢岳−穂高岳山荘 快晴。今日の予定は穂高岳山荘まで、早くに出発すべきだが、素晴らしい天気にもう一度槍ヶ岳に登り360度の大パノラマを堪能(写真左:山頂からの笠ヶ岳)。山荘を7時過ぎに出発、南岳まで3,000m超の稜線歩きはとても爽やかだった。(写真右:南岳より穂高連峰)
   
9時半より大キレットへ下降開始。梯子やガレ場を慎重に過し、途中底鞍部で休憩中の3人のパーティを抜くが当方休憩することなく先を急だ。長谷川ピークの手前に達したときに休憩、その時先ほどのパーティが長谷川ピークに登りかかった。当方もそのパーティを追うように出発(写真左:長谷川ピーク手前で南岳方面を振り返る。写真右:長谷川ピークと先の北穂高岳)
   
大キレットの核心部が始まる長谷川のピークに着いて、その高度感に息を呑んだ。両側に切れ落ちたナイフリッジ、はるか下から立ち上がる滝谷から北穂高岳の大岩壁、緊張感が一気に高まった。登山路には要所要所に白いペンキマークがあり、このペンキマークを忠実に辿っていくのだが、一人だとこんな所を本当に通るのかと心細くなるようなところ、先行の3人に必死についていき北穂高岳に着くことができた。心の中で3人に感謝してます。写真左:長谷川ピークのナイフリッジを下る先行パーティ 写真右:北穂側から見た長谷川ピーク
   

 

13時前に北穂高小屋に到着。緊張が続いたためか昼食に自前のカップラーメンは喉を通りそうに無かったので小屋の牛丼と熱いお茶をいただいた。これが良かったのか元気回復!穂高岳山荘には16時までに着けると見て北穂高小屋を13時過ぎに出発した。3人のパーティは北穂高岳山頂で休憩中で、これから先の涸沢岳までの難路縦走はまた一人旅。慎重に歩を進めて15時過ぎに涸沢岳到着。穂高連峰の真ん中で南北に続く大岩稜の景色を独り占め、心ゆくまで楽しんで16時前に穂高岳山荘に到着。写真下:縦走路途中にて北尾根から前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳
 
09/08
(火)
奥穂高岳(東側西側)−前穂高岳−上高地 快晴。奥穂高岳から前穂高岳を登り重太郎新道を上高地に下る予定で出発。7時に奥穂高岳山頂。ガイド本の写真で何度も見て憧れたこの大パノラマ、登ってきて本当に良かった。山頂でそのとき男性登山者が『百名山達成』の横断幕を広げ始めた。えっ、奥穂が100番目?有り得ないと思ったが、100番目に奥穂高岳の目標があったからこそ達成できたのだと考えると、この登山者の思慮深さにつくづく感心!(写真下右)
 
   
奥穂高山頂付近には20人を超す登山者がいたが、その多くが前穂高岳を目指して吊尾根を下っており、吊尾根を下る際に昨日のような不安感は無かった。9時過ぎに前穂高岳山頂。槍穂高連峰の真横からの眺めだが、まだ通っていない奥穂高西穂高間に目がいってしまう。この縦走路もいつかきっと歩くぞと誓って前穂高岳を下った。
 
岳沢ヒュッテ跡からさらに下った樹林帯の中で若い女性が独り休憩しており、近づくとここが風穴と教えてくれた。確かに岩の間からの冷気が心地よい。暫し話していると上高地にも詳しく、日帰り入浴として上高地温泉ホテルを勧めてくれた。外来入浴の時間に間に合うように急ぎ上高地温泉ホテルへ。ここで縦走の疲れと汗を流し、上高地発のバスに気分良く乗ることができた。()
09/10
(木)
09/11
(金)
高ボッチ山 NHKで簡単に車で行けて槍ヶ岳が見える場所として塩尻市の高ボッチ高原の放送があった。表銀座から槍穂縦走の疲れた体の充電にも絶好と早速高ボッチ高原へ行った。生憎槍ヶ岳方面は雲の中だったので翌日も行き、登ったばかりの槍穂高連峰の遠景を見ることができた。ここは、富士山や八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスも見渡せるいい場所だ。写真左:諏訪湖越に南アルプスと富士山、写真右:中央アルプス(中央の突起が宝剣岳)、写真下:槍穂高連峰(大キレットの前面は大滝山)
   
 
09/13
(日)
扇沢−室堂−剣山荘 天気回復の予報に剱岳、立山連峰縦走を計画。雨が上がり虹のかかる扇沢を7時30分発のトロリーバスに乗車、黒部湖は雨の中、室堂では冷たい雨が降っていた。この日は剣山荘までの予定のためゆっくりと雨が小降りになるのを待って出発。地獄谷で雨もあがり15時前に剣山荘に到着。夕方には別山の雲も取れ始めた。
   
09/14
(月)
剱岳−剱御前小舎 快晴。剣山荘前で鹿島槍ケ岳から上がる日の出で気合が入る。リュックは山荘テラスの端に置きサブザックで6時に剣山荘出発。背中が軽いお陰で前剱へも軽快に登れた(写真右)。このころよりペースがほぼ同じテント泊の若い男女ペアと会話しながら登った。話してみてこのペアとは扇沢から同じバスで、室堂着後、テントを背負って雪の降る立山から剱沢に入ったとのこと、限られた日数を有効に使ってました。
   
鎖などで整備された登山道を登るが、カニのタテバイ(写真左)ではさすがに待ち合わせ、このルート、剱岳往復の人はサブザック必携。8時半に山頂到着。
   
約1時間、山頂での景色を満喫して男女ペアと同時に下山にかかる。カニのヨコバイでは「最初の一歩が難しいのよ」と女性。確かに最初の一歩が出しつらかった(写真左:カニのヨコバイをトラバース)。12時過ぎに剣山荘到着。ゆっくりと昼食後宿泊予定の剱御前小舎へ向かう。(写真右:剱御前小舎下からの剱岳)
   
夕食までの空いた時間、小屋番さんが勧めてくれた剱御前で過した。ここからの剱岳は確かに絶景でした。(写真下)
 
09/15
(火)
剱御前小舎−立山−五色ヶ原 曇り。立山山頂は僅かに雲が掛かっているが雨は無く予定通り6時に出発したが、10分後には小雨が降り出しレインウエアを着用。ガスで剱岳方面の展望は無く別山はパスし、雄山神社を目指して踏み跡を頼りに歩くだけ。8時半に雄山山頂。雄山神社社務所でお守りを購入し熱いコーヒーで少し休憩後、冷たい雨が降り続くなか五色ヶ原に向けて出発した。浄土山南峰から獅子岳にかけての縦走路で出会ったのは僅か二人だけだったが、ライチョウには5羽遭遇するも雨の中カメラを出す余裕はなかった。ザラ峠への下りは強烈に吹き上がってくる風雨を避けるところはなく、何度も立ち止まって風雨に顔を背けるという状況で、楽なはずの下りが悲惨な状態だった。低体温症が頭をかすめ、とにかく五色ヶ原山荘まではと休憩無く歩を進め、13時半にやっとの思いで到着、温かいうどんが最高に美味しかった。写真左:別山乗越からの立山、写真右:雄山神社
   
09/16
(水)
五色ヶ原−黒部ダム−扇沢 昨日の雨がうそのような快晴。同宿となった京都の3人パーティと黒部へと下るが、鳶山からの眺めがお薦めということでついていった。写真左:鳶山への登山道から立山方面を振り返る。右下に五色ヶ原山荘、写真右:山頂からの槍ヶ岳、中央は赤牛岳、右に水晶岳(望遠128mm)
   

8時に山荘出発。黒部湖へ快適に下ったが、途中若い女性を抜く。平ノ小屋で休憩中に彼女も到着、聞けば早朝に立山を出発し読売新道を登り返し水晶岳から槍ヶ岳に向かい上高地に下るという体力勝負の長大な計画、がんばってください。平ノ小屋から黒部ダムまでの湖畔歩きは標準コースタイム通りの3時間半とても長い道のりでした。写真左:平ノ小屋への下山途中の右から針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、写真右:黒部湖畔道より黒部ダム堰堤
   

3時前に黒部ダムに到着、3人を扇沢よりマイカーで大町温泉薬師の湯に案内、汗と疲れを流した後信濃大町駅まで送って握手で別れた。この3人の方とも再び会うことはないでしょう。()
09/20
(日)
一ノ沢−常念乗越 快晴。シルバーウィークで山小屋は混雑していると思い、日帰りで常念岳へと初めて一ノ沢登山口に向かった。途中林道に入ったところで独りの男性登山者が歩いていたので車に乗せた。前夜首都圏を出た中房温泉行きの夜行バスで来て常念岳へ向かうため途中下車したが、タクシーが捕まらなかったので一ノ沢登山口まで歩いていたとのことだった。皆さんアプローチにも苦労されているがそうした苦労をはるかに凌ぐ感動を求めているはずだ。今回は常念乗越より右に折れ東天井岳への鞍部で昼食後引き返した。写真左:横通岳下からの槍穂連峰、写真右:横通岳下からの常念岳、左中央にかすかに富士山が見える。
   
09/21
(月)
鷹狩山 車で大町市の鷹狩山へ。展望台からは大町市街を挟んで北の白馬三山からの後立山連峰、正面に裏銀座、表銀座から南方の常念山脈に続く雄大な景色が楽しめるお薦めポイント 写真左:展望台からの大町市街 写真右:展望台からの大天井岳、右端稜線上の突起が消え槍と呼ばれる槍ヶ岳の穂先(35mm換算望遠280mm) 
   
09/24
(木)
奈良田−広河原−白根御池小屋 シルバーウィーク明けに南アルプスの北岳へ。南アルプスには2005年のシルバーウィークに仙丈岳と甲斐駒ケ岳に雨とガスのなか登ったが、展望は全くなく山頂標識の確認だけに終わっていた。今回はリベンジもこめて白峰三山を目指した。
早朝安曇野を出発し9時半に奈良田駐車場に到着、さすがに連休明けで駐車は数台(写真左)。10時過ぎのバス、乗客は中年夫婦登山者との3人だけ、のんびりとした山旅が楽しめそう!広河原で昼食後出発、白根御池小屋に13時過ぎに到着。夕食まで周辺散策で時間を過した。写真右:白根御池の先に鳳凰三山を望む
   
09/25
(金)
白根御池小屋−北岳−農鳥小屋 快晴。小屋を6時過ぎに出発。朝日に輝く北岳が美しい。稜線に出ると甲斐駒から仙丈、その向こうにさらに北アルプスの山々までが望め最高の天気に感謝。写真左:大樺沢コース合流点からの北岳 写真右:稜線からの北アルプス槍穂連峰
   
8時半に北岳山頂。360度の大展望を約1時間ゆっくりと楽しんだ。写真左:山頂からの仙丈岳左と甲斐駒ケ岳右 写真右:山頂直下からの間ノ岳
   
北岳の下山からは正面に間ノ岳、左に富士山を眺めながら心地よい縦走、素晴らしすぎる!間ノ岳山頂近辺より雲が出だしたが、雨の心配はなくゆっくりと下り14時半に農鳥小屋到着。ランプ小屋としてはいいんだけど、登山者が急増している昨今、トイレだけは何とかすべきではと。写真左:間ノ岳登山道より北岳を振り返る。写真右:間ノ岳山頂より農鳥岳。
   
09/26
(土)
農鳥岳−奈良田 薄曇り。小屋前からの日の出で赤い朝焼けに富士山のシルエットが浮かぶ。裾野まで広がった富士山であればもっとと思ったが欲はいえない。奈良田に向けて6時前に小屋を出発し、7時半に農鳥岳到着。(写真右:農鳥岳山頂からの間ノ岳と北岳) ここから奈良田まで標高差2,200mだが、大門沢下降点からがきつい下り、ここを登るのは辛そう。また大門沢小屋から奈良田の駐車場までうんざりするほど長い道のりで一気に疲れが出たが、奈良田の里温泉で疲れも解消、天気にも恵まれとてもいい山歩きだった。
   
10/01
(木)
一ノ沢−常念岳 快晴の予報に一ノ沢から常念岳日帰り登山。この山頂からの槍穂高連峰の展望は実に素晴らしく、この日をもって常念岳が一番のお気に入りの山に決定。
 
10/03
(土)
新穂高−双六小屋 北アルプス最深部の鷲羽岳、水晶岳を目指す。新穂高に6時に着くが雨模様。暫く様子を見て携帯の県別レーダ雨量で飛騨地方の雨が上がるとの確信を持って7時に出発。雨の中傘を差しての左俣林道歩きは2度目。秩父沢まで来たところで雨は上がり、西穂高岳に掛かる雲も徐々に取れているようだ(写真左)。11時半に鏡平到着、ガスで鏡は曇り槍は映っていなかったが(写真右)、ここで昼食時間をゆっくり過した。弓折乗越に出たところで漸く雲の切れ間から青空が覗くようになり、明日の天気が期待された。双六小屋には15時に到着。小屋ではこの日鷲羽岳から水晶岳を別々に登ってきた2人と話が弾んだ。黒部源流の徒渉部で濁流に戸惑ったとのことだが、明日は天気が回復して問題はないだろうなどと。また東京からの登山者は山から戻ると直ぐに夜勤が待っているとのこと限られた日程で真剣に山に向き合っており、今の自分の山だけの生活は一般的な社会生活とはかけ離れたものなんだとつくづく思った。
   
10/04
(日)
双六小屋−三俣蓮華岳鷲羽岳1水晶岳−三俣山荘 快晴。小屋の前から刻々と色づいていく朝焼け模様に感動。6時半に小屋を出発、巻道ルートで8時半に三俣蓮華岳山頂に到着。途中ナナカマドの紅葉が綺麗だった。
   
三俣蓮華岳から三俣山荘に下り今日の宿泊申し込み。山荘には戻り予定17時の了解を得て鷲羽岳へ向けて出発。硫黄尾根越に北鎌尾根から槍ヶ岳を望ながらの快適な縦走(写真左)。途中雲ノ平山荘改修資材搬送のヘリが何度も往復していた(写真右)。今回雲ノ平山荘が改修工事のため営業が終わっており行けなかったのが残念。いつか行ってみたいところがまた明白になった。鷲羽岳から水晶岳へと北アルプス最深部の縦走、ことに水晶岳からは北アルプスの名山がすべて望める素晴らしさ、水晶岳は自分のお気に入り2番目の山になった。写真下:ワリモ岳山頂から水晶岳方面
   
 
水晶岳を14時に出発し、黒部源流標識に16時到着(写真左)。ワリモ北分岐から源流標識までの標準コース時間40分、この設定はきつく余分に時間が掛かったが、16時半に無事三俣山荘に着いた。山荘前では夕焼けに染まる槍ヶ岳まで望めて最良の山日和だった。
   
10/05
(月)
三俣山荘−新穂高 薄曇り。昨日の素晴らしい天気を二日続きで望みはしない。のんびりと新穂高の温泉を楽しみに下山。来たときはガスで見えなかった樅沢岳から西鎌尾根、槍ヶ岳までが望めた。8月の終わりにニホンカモシカと出会ったのはどの付近だったのだろうか、彼は今どこにいるのだろうか、暫しの間眺め続けた。
 
弓折乗越から下った鏡平の手前で多くの人がカメラを据えていた。紅葉の下に鏡平と槍ヶ岳、青空に日が差した光景を想像するだけでも楽しくなる。またいつの日かこの景色を求めて来るのだろう。
   
10/09
(金)
折立−太郎平小屋 台風一過、太郎兵衛平を拠点に薬師岳と黒部五郎岳を目指す。台風後の道路状況確認のための有峰林道通行止めは8時半に解除になり、10時に折立登山口に到着(写真左)。太郎兵衛平を目指して紅葉の樹林帯を登り、樹林帯を抜け出たところから雨が降り出した。とにかく太郎兵衛平目指して急ぎ、13時半に太郎平小屋に到着した。早朝出発もあり、小屋で横になった後起きてびっくり。雲は切れ始めていたがその間から白い薬師岳が出現!明日の黒部五郎、明後日の薬師岳が期待された。(写真右)
   
10/10
(土)
太郎平小屋⇔黒部五郎岳 快晴。目指す黒部五郎岳が少し雪をいただいてはっきりと見えた(写真左)。小屋から黒部五郎への登山者は一人、登りだして振り返ると雪の薬師岳も(写真右:左中央に太郎平小屋)。ここで軽アイゼンとストックを車においてきた事に気づいた。雪が深ければ引き返すまでだ。が、ワクワク気分の登山もここまで、北ノ俣岳山頂手前よりガスが掛かり始め以降展望は全くない状態で、踏み跡を頼りに黒部五郎岳を目指した。
   
山には思ったほどの積雪は無く登山道ははっきりと識別できた。10時半に肩の分岐で雪面にカールルートからの登山者の足跡があり、それを辿って黒部五郎岳の山頂に着いた。山頂は一面ガスで人の影はなく、その足跡は稜線ルートを下っていた。昼食後下山準備に取りかっていたときに足元の下の岩場に一羽のライチョウが現われた。夏姿のままのこのライチョウ君のしぐさを見ていたら11時半、あわてて下山を開始した。肩からの下りで初めて一人の登山者に遭遇、それから暫く赤木岳付近でライチョウ8羽の団体さんに遭遇(写真右には7羽のライチョウ)。ここで休憩中に先ほどの登山者が下山してきた。彼も一度にこれほどのライチョウは初めてとのこと。今回も貴重な経験ができた。なお彼は飛越トンネルからの黒部五郎岳往復を日帰りとのこと、すごい健脚だ。北ノ俣岳の下りからまた雨が降り出し、太郎平小屋に着くころには霙になっていた。小屋に着く直前の下りの濡れた木道で思いっきり滑り背中から落ちてしまったが、幸いリュックのお陰でどこも打ちつけるところはなかった。目的の場所に着くまでは油断大敵!
   
  
10/11
(日)
薬師岳−折立 快晴だが、昨夕の霙は雪になっており小屋前で5cmの積雪。多くの登山者が薬師岳を目指して出発しており、自分も6時半に小屋を出た。薬師岳山荘を越え稜線にあがった所で凄い風、また薬師岳はそこに見えるが登山道は雪で見えない、登山者はここで引き返していた(写真上:左が薬師岳、右端に水晶岳)。そこへ薬師岳経験者か数人の登山者が薬師岳を目指して行軍をはじめたのでその後を追い山頂に立つことができた(写真下左)。山頂から雪の剱岳立山連峰はとても美しく(写真下右)、360度の大パノラマは新雪で眩しかった。今回は凍結がなく登れたが、この時期軽アイゼンは必携!
 
   
10/13
10/14
10/15
飛騨高山上高地観光 妹曰く”最初で最後の親孝行”のためこの期間登山はお休み、お陰さまで天気にも恵まれいい親孝行ができました。
13日:伊勢神宮→高山市内泊
14日:高山市内観光→新穂高ロープウェイ→上高地泊
15日:上高地散策→松本城→北九州()
10/17
(土)
高瀬ダム 裏銀座登山口の高瀬ダムで散策、紅葉がまさに見ごろだった。写真左:濁沢のブナ立尾根登山口、右は無名滝 写真右:高瀬ダム堰堤、先は不動沢トンネル
   
10/18
(日)
八方池 安曇野滞在もあと十日あまり、閉めた山小屋も増えてきており、日帰りで無理の無い登山をする。まずは天候不順で眺望を楽しめなかった後立山連峰唐松岳を目指した。リフトを降りたところでは白馬三山はまだ見えていたが、八方池では白馬三山は既にガスの中、かろうじて天狗尾根が鏡に映っていた(写真右)。携帯のレーダ雨量で富山県側は雨、ここで引き返した。またも後立山の絶景はお預け。(涙)
   
10/19
(月)
大谷原−爺ヶ岳 快晴の予報に赤岩尾根へ。大谷原出発は6時半、西俣出合では見事な紅葉、日が当ればもっと映えるだろう(写真上左)。高千穂平では前回叶わなかった鹿島槍から爺ヶ岳の見事な稜線が見えた。(写真下) 写真上右は赤岩尾根分岐から鹿島槍ケ岳
   >
 

稜線手前で下山してくる一団、冷池山荘の小屋番さん達だった。今日で冷池と種池も小屋閉めでなお日の入りも早くなっており予定通り赤岩尾根分岐より左の爺ヶ岳へ向かう。その稜線上からの棒小屋沢の紅葉とその先の剱岳の景色は忘れることはない素晴らしさだった(写真下)。爺ヶ岳南峰から中央峰、赤岩尾根分岐へと回り、16時過ぎに大谷原駐車場に帰り着いた。
 
10/21
(水)
三股−蝶ヶ岳 快晴。三股登山口より蝶ヶ岳日帰り登山。秋の穏やかな日に槍穂の絶景が見事だった(写真左)。蝶槍への途中、足だけは冬姿に変わったライチョウに出合った(写真右)。快晴の日にライチョウに出会うとは思わなかったが、季節の変わりで天敵もいなくなったためなのだろうか。写真下は蝶槍からの槍穂の絶景(パノラマ合成)
   
 
 
10/23
(金)
栂池−小蓮華山 快晴。朝一番のゴンドラリフトで栂池自然園に入った。ビジターセンター手前の登山口を8時前に出発、途中後立山連峰の名峰が秋の青空に映えていた。写真下:左から爺ヶ岳、鹿島槍ケ岳、五竜岳、唐松岳、天狗尾根、白馬鑓ヶ岳、杓子岳
 
10時半に白馬大池を見渡す場所に着いた。予想を超す大きな池、その向こうに目指す小蓮華山も見え始めた。小蓮華山への最後の登りでまたライチョウに出会った。このシーズンの山行で出会った最後のライチョウにふさわしく、この後大きく羽ばたいて岩陰に消えていった。
   
12時半に小蓮華山に到着したが、山頂部は崩落で立ち入り禁止。仕方なく白馬岳の方へ歩を進めたその先で目にした景色、後立山連峰の全景だ!白馬岳の険しく切れ落ちた岩稜のその先に白馬鑓ヶ岳から鹿島槍ケ岳、その間にはかすかに立山や槍ヶ岳、また岩稜は白馬沢から白馬尻に落ち込み登山口の猿倉を経て白馬市街地まで望め、これこそ後立山連峰の全景と見とれてしまった。帰るのは惜しかったが淡い初雪の上に自分の足跡しかない山頂を離れ下山、16時前にロープウェイ駅に着いた。
 
10/28
(水)
一ノ沢−常念岳 最後の山行はやはり常念岳、澄んだ天気といよいよ最後ということで気持ちも高揚していた。常念乗越に着いたときに出迎えてくれた槍ヶ岳は雪を頂いている。4回目の常念乗越だったがこれほど感動を覚えたことも無かった。常念岳山頂も雪を頂いていたが(写真中右)、登山者の足跡を頼りにアイゼンをつけることも無く登れた。山頂からの槍穂連峰は雪を頂いてまさに絶景、青と白と黒のコントラストが3,000m級の山々をさらに際立たせていた。見納めというわけでもなかったが、山頂でただ一人じっくりとこの景色を楽しんだあと下山した。一ノ沢登山口相談所から下った林道に黒い物体、何だと思い近づくとニホンザルの集団。厳しい冬に備えてか盛んに植物の実を食べているようだった。
 
 
   
  
10/30
(金)
北九州へ 安曇野のマンスリーマンションを片付け九州への帰途につく。()


since 2014/03/25